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「出力制御対応機器設置義務あり・なし」とは?



ここで言う「出力制御」とは、大手電力会社が住宅や事業用の発電設備に対し、出力を停止または減らすよう要請して、出力をコントロール(制御)することです。
発電設備というのは、送配電網(系統)に接続された太陽光発電設備のことで、大規模なメガソーラーから小規模な住宅のものまで、事業用、住宅用を問わず全てのソーラーシステムを指します。
出力制御対応機器」というのは、電力会社から出力制御スケジュールを取得し、パワーコンディショナーの出力を調整する機器のことです。
したがって、「出力制御対応機器設置義務あり・なし」というのは、上記の機器を発電設備に「設置する義務があるか、ないか」ということです。
「設置義務あり」であれば、電力会社により出力がコントロールされます。
「設置義務なし」であれば、電力会社による出力のコントロールはされません。
その代り、公平を期するため、買取価格は「設置義務あり」の方が「設置義務なし」より若干高めに設定されています。
ちなみに、2016年(H28年)度は、「設置義務あり」では33円/kWh、「設置義務なし」では31円/kWhとなっています。

ではなぜこのような「出力制御対応機器設置義務あり・なし」という複雑な区分が追加されたかと言いますと、
発端は、2014年9月25日に起こった「九電ショック」という出来事です。
この「九電ショック」というのは、九州電力エリア内で太陽光発電事業者による系統接続の申請が殺到し、九州電力が持つ接続可能量をオーバーしたため、新規の接続申し込みを打ち切り、一旦保留したことにより業界に大きな衝撃を与えた、というものです。

大規模な電力は基本的に貯めることができないので、供給(発電)と需要(消費)が同時に行われています。
変動している消費電力量(需要)に合わせて発電量(供給)を常に一致させ続ける必要があります。
これを「同時同量」(電力需給のバランス)といい、電力会社の重要な役割の一つで、極めて緻密な管理体制のもとに維持・運用されています。
電力会社では、刻々と変動する需要(電力消費)を予測して発電計画を決め、発電所の稼働や出力を調整して需給バランスを保っているのです。
電力の需給バランスが崩れると、電圧周波数が不安定になります。
電圧や周波数は高精度に維持・管理されていますが、これが不安定になると工場の精密な生産機械などに影響を与えたり、停電につながったりして、社会に与える影響は非常に大きくなります。
電圧や周波数の安定度が高い精度で維持・管理されている電力系統(送配電網)に、天候に左右され変動が激しく予測が難しい不安定な「太陽光発電」が大量に新規接続されたら、「同時同量」を維持することが極めて困難になると予想されます。
このような背景から、2015年(H27年)度より「出力制御対応機器設置義務なし・あり」という区分が設けられ、電力会社が一般家庭の「太陽光発電の出力を制御」(買取拒否など)できるようになりました。
もともと、「太陽光発電の出力制御」というものは以前から存在しており、メガソーラーといわれる大規模発電設備が対象でしたが、この度、小規模な一般家庭の住宅用にも対象範囲が拡大しました。

今のところ、「出力制御対応機器設置義務」が適用されるのは一部のエリアの電力会社だけで、全国10社の電力会社の内、東京電力・中部電力・関西電力の3社以外の、北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の7社において適用されます。
この7社の電力会社は、自社の発電設備の出力を抑制しても電力の供給量が需要量を上回る場合は、年間360時間を上限に無補償で出力を抑制するよう、住宅の太陽光発電に対して要請できるようになりました。

「太陽光発電の出力制御」は、「再エネ特措法」の中で「太陽光発電の出力制御ルール」というもので細かく定められています。
出力規模、〜10kw・10kw〜50kw・50kw〜500kw・500kw〜により、また電力会社エリアにより、また「30日ルール」「360時間ルール」「指定ルール」により下表のように事細かく定められています。

出力制御ルール1.gif
出典:資源エネルギー庁「固定価格買取制度の運用見直し等について」

一般の人はこの内容を全て把握する必要はないと思いますが、今まで手つかずであった10kw未満の住宅用にも「出力制御ルール」の適用範囲が拡大したことにより、無関心では済まされなくなりました。
そもそも、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」は再エネ発電の普及が目的で、発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを義務付けた制度ですが、「再エネ発電」の普及が拡大し、電源別発電電力量構成比の中で占める比率が大きくなると、「再エネ発電」は出力が不安定なゆえに様々な課題が浮かび上がってきます。
「再エネ発電」の中で特に出力が不安定な風力発電と太陽光発電の普及拡大を図る上で、この不安定という難題に対して、どのような対策を講ずるかということが、解決すべき最重要課題といえます。
いろいろな課題解決の手段の中で、有力な役割を果たすものの一つに「蓄電池」が挙げられます。
電気は貯めることができれば、「同時同量」は必要ないのです。
なぜならば、大規模な電気は基本的に貯めることができないので、供給(発電)と需要(消費)が同時に行われなければならないからです。





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